歩行分析事例4

機能訓練で歩き方はどう変わる? ―AI歩行分析でみる「前後の変化」―

リハビリデイサービス爽快倶楽部では、通常の個別機能訓練に加えて、AI歩行分析ラボで歩き方を数値として「見える化」しています。

「なんとなく歩きが安定してきた気がする」――そんな体感の変化を、動画とデータで確かめられるのが特徴です。今回は、機能訓練を続けていただいた 80代女性(整形外科疾患のある方) の歩行が、数か月でどのように変化したのか、その前後比較の一例をご紹介します。

※本記事で示す数値は、歩行動画をAIで解析した参考値・傾向です。医学的な診断ではなく、変化を見やすくまとめた「目安」としてご覧ください。


まずは、ざっくりまとめ

数か月の機能訓練をはさんだ前後を比べると、歩行全体の「揺れ」と「ばらつき」がおおむね小さくなり、安定する方向の変化がみられました。

一方で、肩や骨盤の「左下がり」の傾き(姿勢のクセ)は、やや強まる傾向も確認できました。「ぐらつきは減ったけれど、姿勢の左への傾きは残っている(むしろ目立ってきた)」という、次の訓練につながるヒントも得られた形です。


良くなった点:歩きの「安定感」

安定性の総合的な目安が改善

歩行全体の揺れやばらつきをまとめた安定性スコアは 26.94 → 18.98へ。この指標は小さいほど安定とみなすため、全体として落ち着いた歩きに近づいたと読み取れます。

膝のぐらつきが小さく

体重を支えている側の膝の動揺(ぶれ)が、左右そろって減少しました。

  • 左足で支えるとき:4.99° → 3.03°
  • 右足で支えるとき:3.43° → 2.54°

膝が支えるときにぶれにくくなることは、歩行中の安定につながる要素のひとつと考えられます。

一歩ごとの足の幅が安定

左右の足の間隔(歩隔)のばらつきも小さくなりました。

  • 左足支持:CV 0.384 → 0.226
  • 右足支持:CV 0.197 → 0.146

一歩ごとの幅がそろってくることは、リズムよく歩けている目安のひとつです。

肩の揺れも減少

上半身では、肩の左右の揺れが 約 2.2° → 1.2° 相当に落ち着きました。上体がフラフラしにくくなってきた傾向といえます。


気になった点:姿勢の「左下がり」傾向

一方で、肩・骨盤の平均的な傾きは「左が下がる」方向が強まる変化がみられました。

  • 肩の平均傾き:左下がり(前 2.7° → 後 4.0° 前後)
  • 骨盤の平均傾き:左下がり(前 2.4° → 後 4.5° 前後)

「揺れ(動きのブレ)」が減る一方で、「常に少し左へ傾いている」という姿勢のクセは残っている――両方を分けて見られるのが、AI歩行分析の強みです。この傾きは、次の機能訓練で意識していきたい重点ポイントとして活かせます。

なお、頭・肩・骨盤・膝・歩隔などをならした左右差(平均)は 42.0% でほぼ横ばいでした。項目ごとに見ると、頭・膝・歩隔の左右差は縮まり、肩・骨盤の左右差はやや広がる、という内訳になっています。


この分析を、訓練にどう活かすか

数値で「見える化」する一番のメリットは、うまくいっている部分と、次に取り組む部分を分けて確認できることです。

今回のケースでは、

  • ぐらつき・ばらつきが減った → 支える力やバランスが整ってきたサインのひとつ
  • 姿勢の左下がりが残っている → 次の訓練で重点的に働きかけるポイント

というように、「続けて良かったこと」と「これから伸ばすこと」をセットで確認できました。体感だけでは気づきにくい変化を、ご本人・ご家族・スタッフが同じデータを見ながら共有できます。


おわりに

AI歩行分析は、「良くなった/悪くなった」を白黒つけるものではなく、歩き方の変化を一緒に見つめ、次の一歩を考えるための道具です。爽快倶楽部では、こうした分析結果を機能訓練と組み合わせながら、お一人おひとりの「その方らしい歩き」を支えていきます。

ご自身やご家族の歩き方の変化が気になる方、AI歩行分析ラボにご興味のある方は、お気軽に爽快倶楽部までお問い合わせください。

※掲載データは個人が特定されないよう配慮した一例です。数値はAI解析による参考値・傾向であり、効果や改善を保証するものではありません。

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